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「Nega0」感想

nega0
タイトル:「Nega0
ブランド:ETERNAL
評価:A-(S~E)
※以下ネタバレを含みます

◆雑感
自分勝手な先入観で敬遠してきた作品を実際にプレイしてみて面白いと感じるのはままある事だと思う。僕の場合は本作『Nega0』がそれにあたる。
七烏未奏といったら青春の青臭さで、これは『StarTRain』の影響が強いのだけれども、そのテーマと本作で扱われる魔法少女がどうにも上手く結び付かなくて、興味はあるけれども今まで避けてきたのである。

ただ、いざプレイしてみると、本作も例に漏れず非常に七烏未奏らしい作品に仕上がっていたと思う。「幸せ」に対するメッセージ性のあるシナリオだったり思春期特有の繊細な悩み、感情の曖昧さを上手く表現しているところだったりと、氏の持ち味は存分に発揮されていた。
アンチご都合主義をテーマに周回することで全容が見えてくるシナリオ構造(※1)も面白いし、主人公の存在自体がご都合主義によって生み出されたというトリックには非常に驚かされた。れーこの成長物語としても良質であるし、シナリオの中身に関しては欠点らしい欠点がないと思う。だが、シナリオとそれ以外の要素とのバランスが本作の評価を勿体無いものにしている。

不満点を述べる前に七烏未奏の提示する幸福論について。
自分を受け入れること、自分を好きになることが幸せになるための第一歩だというのが氏の主張であり、これは本作に限らず他の作品でも一貫している。
この主張は一歩間違うと説教臭いと批判されてしまうが、本作の場合はれーこが成長する過程でこの解を得る。そのため、単に理想を振りかざすだけの物語にはなっていない。上から目線のキャラクターが御高説を垂れる物語でもない。

れーこは非常に弱い人間である。超ネガティブな性格で踏ん切りがつかないし終わった事をいつまでもうじうじと悩んだり…、等身大の、リアリティのある弱さを抱えたヒロインである。そんな彼女だからこそ見ていて応援したくなるし、自分を受け入れて前に進もうとする姿には「祝福」したくなる。

たとえ、この先、どんな姿が待っていても。
私は、この世界と自分を、『祝福』したいと思う。

――『Nega0』最終話 エピローグの最後より引用

アンチご都合主義を謳った『Nega0』は、弱いれーこが成長して強さを得る、そんな"ご都合主義"には頼らない。世界を救ってもれーこは弱いままであるし、彼女の拠り所であったなおたはもう戻っては来ない。魔法なんて都合の良い物は存在しない。弱者は弱者らしく、その弱さを受け入れて前に進むしか無いのだ。

世界を救う大義を成し遂げても弱い者は弱いままという本作の終着点は、まさしくアンチご都合主義であり、これは人の本質は何時まで経っても変わらない事を残酷なまでに突き付ける。ただ、それ故に自分を肯定して前に進むことの素晴らしさ、勇気を与えてくれる作品でもある。れーこのように世界と自分を祝福して前に進む姿は、やがて他人からも祝福されるのだ。
この自己肯定、弱さを認めて前に進む事こそが、七烏未奏が掲げ追求してきた幸福論の真髄だと思う。

話を戻してシナリオと他の要素のバランスについて。
思春期特有の曖昧を上手く表現したテキストである一方、その曖昧さが場面の状況説明にも及んでしまった気がした。ある程度進めれば大凡の全容はすんなり理解できるものの、その場その場ではどうにも分かり難くていまいち話に没頭出来なかった。具体的箇所としては一周目(と終盤の手前)。この曖昧さを考察の余地があると好意的に捉えることも出来るのだが、個人的にはぼんやりとして分かり難い印象の方が強い。

状況を把握して引き込まれるようになった後はバトルパートが頻繁に入ってくるようになるので、今度はそこでテンポが悪くなってしまう。一つの戦闘に割りと時間が掛かるので連続して入ってくると少々面倒。とは言えバトルシステム自体はシンプルで面白かったし、物語を楽しむエッセンスとしての役割は十分果たしていたと思う。デバックシステム(※2)も斬新で面白かった。

以上の二つがシナリオの良さを少し殺していたように感じられた。それでも全体的に良く出来た作品であることには変わりないし、認識論をベースにした魔法などのSF設定、青春の青臭さを有した雰囲気、アンチご都合主義的シナリオ、れーこの成長物語と多様なジャンルの話を一つの作品に纏め上げた事は大いに評価したい。
余韻を残した終わり方も理想的だったし、読み応えのある良い作品であった。

(※1)本作のようなシナリオ構造自体に意味がある作品と言えば『最果てのイマ』『何処へ行くの、あの日』が真っ先に思い浮かぶ。どちらも単なるループ構造とは一線を画しているので印象深い。

(※2)提示された情報を判断するところに『御神楽少女探偵団』の推理トリガーシステムに近いものを感じた。


◆余談
七烏未奏というライターは単独で企画から担当した方が良いと常々思っていたのですが、本作をプレイして改めてその思いを強くしました。少し説明させて下さい。
氏の作品の根底にあるのは等身大の悩みを抱えた、読み手が共感を得やすいキャラクターだと思います。リアリティがある人間臭いキャラクターとでも言いましょうか。『Nega0』でいうなられーこやいちよのような。

このキャラクター像って七烏未奏の感性でなければ描けないと思います。そしてこれが氏の作品の魅力でもあります。なので既に誰がが手掛けたキャラクターやプロットを基に作る形だとあまり良さが伝わって来ないのではと思いました。

例えばPULLTOPの『この大空に、翼をひろげて』。
ライターが公開された時は青春の青臭さの七烏未奏と、青春の爽やかさの紺野アスタがタッグを組んだら一体どんな作品になるのだろうと期待していたのですが、実際は面白かったけど爽やかさだけが全面に押し出されていたように思います。
七烏未奏が担当したシナリオもいまいちパッとしないというか…、らしさをあまり感じなかった。これは既にキャラクター像が出来上がった状態で渡されたので、それに沿った形でしかシナリオを書けなかったからだと個人的には推測しています。

七烏未奏というライターは独自の感性によって生み出したキャラクターを動かすことで初めて魅力を発揮する、典型的な単独ライター型だと思います。少なくとも、既に誰かが手掛けたキャラクターやプロットの中で独自の色を出せる複数ライター型ではないと思います。まあどちらが優れているという訳ではないんですけどね。そういうタイプであるというだけであって。

話は変わりますが氏が企画・シナリオを手掛けるWhirlpool新作『うそつき王子と悩めるお姫さま』の発売日が10月25日に決定しました。僕も余程激戦区でない限りは購入する予定です。渦巻でシナリオを担当するとは正直意外でした。
同じく企画・シナリオを担当した『すきま桜とうその都会』同様、タイトルに「うそ」が含まれているので、テーマを「青春の青臭さ」から「嘘」に変えたのかそこも気になります。『すきま桜』はまだやってないのでそもそも変わっているのかどうか分からないんですけどね…。

まあ新作までにはやろうと思います。『StarTRain』も再プしたいですね。
という訳で今回はこれでおしまい。それではまた。
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